歴史と伝統を誇る、“ギネス認定”世界最大の大綱挽

第37回 那覇大綱挽・旗頭行列
1.那覇大綱挽・旗頭行列とは?
今年で37回目を迎える「那覇まつり」のメインイベント・那覇大綱挽。
1600年代にお祝い綱として幾度も開催され1935年を最後に途絶えましたが、祖国復帰の前年1971年に那覇市制50周年記念事業として再び復活しました。
那覇大綱挽
現在は、沖縄を南北に走る大動脈・国道58号線の久茂地交差点を中心に行われ、大綱を東西に分かれて「ハーイヤッ、ハーイヤッ!」の掛け声で挽きあう、迫力満点・ギネス認定の世界最大の大綱挽です。また、大綱挽が始まる前には、国際通りで旗頭行列が行われます。旗頭とは、那覇の各地域の「村のシンボル、まもり神」として古くから地域の細工師によって、村々の繁栄を込めて考案制作され、伝統のある那覇大綱挽を応援する村の旗印です。
2.イベントデータ
【開催日時】 2008年10月12日(日曜日) 【開催地】 国道58号線久茂地交差点・国際通り
【問合せ】 那覇大綱挽保存会 TEL:098-866-4858 【アクセス】那覇空港から車で約10分
3.プログラム
※下記のプログラムは、2008年に開催されたときのものです。
旗頭行列(国際通り)
[11:30] 集合(東:壺屋小学校 西:牧志公園)
[11:45] 出発式
[12:00] 国際通りにて行列出発(先陣:東 後陣:西)
※先陣は毎年交代
[14:30] 旗頭行列終了(15:00まで待機・休憩)
那覇大綱挽(国道58号線・久茂地交差点)
[15:00] 交通規制開始
那覇大綱挽会場へ旗入れ開始
[15:20] 美ら旗我栄(毎年交代)
[15:40] 空手我栄
[15:50] 太鼓演舞
[16:00] 綱寄せ かぬちつぎ 綱方我栄
[16:20] 鉦子打ち込み・大綱挽開始
(勝負制限時間30分間)
[16:50] かちゃーしー 打ち上げ乾杯
[17:00] 交通規制解除・那覇大綱退場
[19:00] 国道58号交通規制全面解除

4.那覇大綱挽・旗頭行列のみどころ
那覇大綱挽・旗頭行列のみどころ
旗頭行列
世各村の旗頭を中心に、東西に分かれて国際通りで旗頭行列を行います。行列には旗頭のほかに、子供たちの印旗、太鼓、鉦子、ふら(ほら貝)が独特の演奏をし、青年たちは「サーサーサーサッ!」と威勢よく掛け声を掛け合いながら旗頭を持ちながら国際通りを練り歩きます。

那覇大綱挽・旗頭行列のみどころ
この旗頭を躍らせる旗持ちは、ちゅらばた(美ら旗、旗頭を見事に躍動させること)を競い、それを那覇男子一生も誉れとしています。その旗を一人で持ち上げるのはかなり重たくバランスをとるのが難しいのですが、各村のシンボルなので絶対に倒してはいけないという責任感とプライドをかけて練り歩く男達の見せ場でもあります。
ココで取材スタッフのちょこっとメモを紹介

那覇大綱挽・旗頭行列のみどころ
那覇大綱挽
世界最大の「那覇大綱挽」は、ギネス認定の大綱を挽く事が体験できる参加型イベント。県内外や海外からこの大イベントに参加するために、大綱の周りに那覇市民30万人に匹敵するほどの大観衆が集結します。

那覇大綱挽・旗頭行列のみどころ
「てぃーんな」と呼ばれる化粧綱から出ている256本の手綱を東西で挽き合い、会場となっている交差点の中心地点から東西どちらかの方向へ5m動いた時や、30分以内の制限時間で大綱が動いた方向へ勝負が決着します。大綱は重量が40トンもあり、大観衆が一体となって大綱を挽き合うイベントの醍醐味は、沖縄のイベントでも指折り数える大迫力です。

那覇大綱挽・旗頭行列のあれこれ!
那覇大綱挽のギネス認定サイズとは?
那覇大綱挽のギネス認定サイズとは?
1995年9月に「米藁で製作された世界一の綱」としてギネス認定登録され、全長200m、総重量43トン、綱直径1.58m、手綱数300本、挽き手15,000人以上、参加人員280,000人と認定登録されています。数字もそうですが、現場で実際に見て体験してみると、その世界一の大綱だと思えるはず。

那覇大綱挽は独特なイベントだった!
那覇大綱挽は独特なイベントだった!
日本各地の綱挽は雨乞いや豊作を祈願する為の行事がほとんどらしいのですが、那覇大綱挽はその祈願行事とは違い、古来、首里城に諸外国からの来賓が来沖した翌年に行われる綱挽らしいのです。現在は、毎年1回、10月に行われて大勢の観衆でにぎわっているのですが、その当時は夜に行われていたそうで、電気もない時代なので旗頭行列で使用された旗頭のてっぺんにある灯篭に火をつけ明かりを灯し、綱挽の周囲にはタイマツを焚いていたそうです。

大観衆のポケットにはカッターが!?
大観衆のポケットにはカッターが!?
那覇大綱挽が終了すると、持参したカッターをポケットから取り出し、今まで挽いていた手綱を必死の形相で切り落とす行為が一斉に始まります。これには初めて見る方もびっくりしますが、この綱は実は縁起物で無病息災のお守りです。切り落とした手綱を持ち帰って家でオブジェとして飾る人も多く、このイベントで警備にあたっている沖縄県警も、刃物類を持参している行為には暗黙の了解で認めているのかも。

綱はどうやって運ばれるの?
世界最大の大綱は、那覇空港に程近い米軍施設「那覇軍港」で製作・作業をしています。
行程1
那覇軍港にて製作・作業
当日の朝4時に大型トレーラーに積載し、会場となる国道58号線・久茂地交差点へと運搬されます。
行程2
朝4時からの作業
大型クレーン車を使ってゆっくり引き上げ作業。
迫力のある光景が広がります。
行程3
大型クレーンを使っての作業は迫力満点!
作業終了後、雄綱・雌綱の前で那覇大綱挽の
成功と安全執行を祈願し、本番を待ちます。
行程4
那覇大綱挽の成功と安全執行を祈願

昔は、ケンカ祭りだった!
昔は、ケンカ祭りだった!
お祭り的な那覇大綱挽も、以前は争いが耐えなかったとの事。那覇はもともと港町で人間の気性が荒く、夜の10時くらいから朝方6時まで何度も綱挽をして勝敗を争い、その度に喧嘩が絶えなかったそうです。東西の両地区が綱挽以外でエスカレートし、相手の家を綱挽道具で破壊したり、拳銃を持ち出して争いをした事もあったそうです。去年の那覇大綱挽でも、旗頭同士の一触即発の小競り合いがあったらしく、“那覇男子”の祭りにかける意気込みにも注目!

ちゃんぷる〜のちょっとディープな沖縄
ちゃんぷる〜のちょっとディープな沖縄
ちゃんぷるー
街頭行列では、国際通りに張りめぐらされている電線に引っかからないように、天高く伸びている 各村の美ら旗を上げ下げしながら練り歩きますが、たまにバランスを崩して倒れたりすることも。現在は、国際通りは電線の地下埋設作業が急ピッチで進んでいるので将来的には旗頭行列もスムーズに練り歩きができるかも。でも、倒れないようにウマくバランスをとる技術が備わってこそ、一人前の旗持ちには変わりはありません!
旗頭行列と電線
ちゃんぷる〜のちょっとディープな沖縄終わり
トップページへ