古の皆納祝い・豊作祈願から生まれた多良間の伝統踊り

多良間の豊年祭・八月踊り
1.多良間の豊年祭・八月踊りとは?
毎年、旧暦8月8日〜10日の3日間に開催され、五穀豊穣を祈願し多良間島の貴重な民俗踊り・古典踊り・組踊。県内外から注目を集めている国指定重要無形民族文化財です。この時期には多くの観光客や研究者が多良間島を訪れます。
多良間の豊年祭・八月踊り
1600年代当時、15歳から50歳までの農民に対して、穀税のほかに反布税を課せられた宮古・八重山地方。それらの重税を旧暦の7月までに島の農民が皆納し、翌8月に仲筋地区の土原御願、塩川地区のピトゥマタ御願に完納の報告・次年の豊作祈願することを年中行事とするようになったのが起源で、毎年、重税を皆納した事に、島民挙げて盛大に祝い、楽しみ、慰め合い、励ましあった祝席で踊り出した「民俗踊り」が、現在まで伝わる「多良間の豊年祭・八月踊り」です。
2.イベントデータ
【開催日時】 2008年9月7日(日曜日)〜9日(火曜日) 【開催地】 仲筋字:土原御願 塩川字:ピトゥマタ御願
【問合せ】 多良間村役場 TEL:0980-79-2260 【アクセス】 多良間空港から有償バスで約10分
3.プログラム
※下記のプログラムは、2007年に開催されたときのものです。
2007年9月7日(日曜日)
[開催地] 仲筋字:土原御願 
[内容] 字塩川地区の民を招待し、次の演目を披露します。
[午前] 民俗踊り・古典踊り・組踊り「忠臣仲宗根豊見親組」
[午後] 民俗踊り・古典踊り・組踊り「忠孝婦人村原組」
2007年9月8日(月曜日)
[開催地] 塩川字:ピトゥマタ御願
[内容] 字仲筋地区の民を招待し、次の演目を披露します。
[午前] 民俗踊り・古典踊り・組踊り「忠臣公之組」
[午後] 民俗踊り・古典踊り・組踊り「多田名組」
2007年9月9日(火曜日)
[内容] 仲筋字・塩川字に分かれ、1日目・2日目に演じられた演舞を各地区にて踊ります。
4.多良間の豊年祭・八月踊りのみどころ
仲筋地区 忠臣仲宗根豊見親組(午前)
首里王府より、与那国島の横暴な鬼虎の征伐を命じられた宮古島主(仲宗根豊見親)が、征伐対策として、多良間島の美女を探すところから始まる。その美女に選ばれた「あふがま・こいがま姉妹」が年老いた父母の面倒をみてくれる事を条件に、宮古島主一行と与那国島へ渡り、酒宴をしている鬼虎のもとへ美女姉妹が宮古島主一行と共に持参した酒を勧め、気をよくした鬼虎はさらに姉妹と我が家で酒宴を続けることに。この時を狙い、宮古島主一行が、一気に鬼虎を攻め滅ぼす。
仲筋地区 忠孝婦人村原組(午後)
谷茶按司が、「大川按司が諸按司の征討を計画している」と嘘をつき、諸按司を味方につけ大川按司の城を攻め滅ぼす。大川の頭役・村原は大川按司が攻められて死んだということを今帰仁城からの帰途で聞いて激怒し、妻の乙樽を、連れ去られた大川若按司の乳母と名乗らして単身で谷茶に乗り込みさせる。巧みな話術と色仕掛けで谷茶按司をうまく丸め込み、谷茶按司の誕生日で賑わう町中で大川若按司を連れて逃げ出す。その後、大川の頭役・村原は旧臣を集めて、一気に谷茶を攻め滅ぼし、大川按司の敵討ちを収める。
塩川地区 忠臣身替(午前)
八重瀬按司は、玉村按司の夫人に横恋慕し、玉村按司の大里城に攻め入る。しかし、目的の夫人は玉村按司とともに死んでしまう。逃れた玉村の若按司は、勝連の山田大主のもとへ逃れ、これを知った八重瀬按司は後の災いを絶つために、山田大主を攻める計画をたてる。玉村按司の頭役・里川の長子亀千代は、山田大主に身を寄せている若按司の身替りになることを提案し、山田大主の部下・吉田の子が亀千代に縄をかけ、若按司として八重瀬城へ。事前にこの奇策を玉村按司のもう一人の頭役・波平大主へ伝えていた吉田の子は、波平大主と共に八重瀬城を攻め、玉村按司の仇を討ち亀千代も助けだす。
塩川地区 多田名組(午後)
天下を我がものにしようとする多田名大主が、上原按司を攻め滅ぼすが、夫人と子供2人を逃し、家来たちに妻子を皆殺しにするよう命じる。しかし、家来の忠臣・外間は聞き入れず殺され、無謀だと抗議した忠臣・吉田も牢屋に入れられてしまう。一方、母と弟からはぐれてしまった長子・千代松は、敵にやられてしまうよりは自決しようとするが、家来・屋比久から仇討ちしようと説得され、多田名大主の手に落ち、再び城を抜け出し母と弟に巡り合い、多田名大主が津堅島へ遊びに行った帰りを狙い、兄弟揃って父の仇を討つ。
5.多良間の豊年祭・八月踊りのあれこれ
沖縄本島から多良間島へ行くには?
・フェリー
宮古島・平良港より多良間島海運のフェリーにて、所要時間2時間で多良間島・普天間港に到着。台風時には欠航する場合もあるので事前に確認することを忘れずに。
多良間海運:TEL 0980-72-9209
・飛行機
宮古空港より、琉球エアーコミューター(RAC)にて約20分で多良間空港へ行くことができます。機内持込・受託手荷物の合計で10kgという重量制限があるので出発前にご確認を。
日本航空:TEL 0120-25-5971
・八月踊り・豊年祭会場までの移動手段
多良間空港と、フェリーが入港する普天間港から有償バス(400円)にて集落内まで行くことができます。
有償バス:0980-79-2253

誰でも楽しめて、そして笑える!
多良間島といえども、沖縄本島とは方言が全く違い、発音も異なります。八月踊りの演目は多く、その中で民俗踊りの「狂言座」という演舞があります。
多良間の人々の喜怒哀楽をおもしろおかしく演じ、多良間島の方言が分からないという方でも楽しみ・笑うことができます。
「狂言座」を任された人たちは、座長の家に集まり「何を演舞してみんなを楽しませようか」、と毎夜練習を重ね、この日に日頃の練習の成果を見せてくれます。
狂言座は、周期で村内の各グループを持ちまわるため、毎年違った、多彩な演舞が見られます。
陰の功労者
支度(スタフ)座と呼ばれる、踊りの舞台で使われる衣装、幕、旗、小道具一切の装飾、準備を担当する人たち。踊りを陰から支え、踊りの出来映えにも関わる重要な役割をしています。
仲筋字・塩川字のそれぞれに支度座があり、伝統行事を守り続けるために、細かい部分まで妥協せず、八月踊りにふさわしい色鮮やかな舞台を演出しています。
舞台裏の支度座で、装飾をしている作業風景も自由に見学できるので、足を運んで見てみるのも、踊り手たちのかわいらしい表情が見ることができます。

本村 和也さん
お名前:本村 和也さん
出身: 沖縄県多良間村(塩川字)
最近ハマッている事: ウォーキング
おすすめスポット: 多良間村民俗学習館

この祭りの魅力:「八月踊り」は多良間ならではの祭りです。多良間の先人たちが重税に苦しめられても、毎年皆納して、そのお祝いとして八月踊りで楽しみ、喜びを分かち合ってきました。この多良間の伝統的な八月踊りを守り続けていき、多くの人に楽しんでもらいたい。
沖縄の魅力:時間がゆったりと流れているところ。心温かい人が多いのも沖縄の魅力です。私が住んでいる多良間村も含めて、本当に住み心地がいい。

ちゃんぷる〜のちょっとディープな沖縄
ちゃんぷるー
八月踊りを一目見ようと県内外から多くの観光客が訪れるため、開催時期の宮古島から多良間島への飛行機・フェリーなどの交通機関、民宿やホテルは、かなり混雑します。また、多良間の小中学校も開催される3日間は、臨時休校となっており、人口1,300人超の島が賑やかになるイベントです。
イベントの様子
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