私の国籍はバングラディッシュ、来日したのは16年前で、沖縄には6年前から住んでいます。現在は得意の料理の趣味が高じて、沖縄本島の北谷というところで本格インドレストランをやっています。日本に来て最初の10年は、東京を中心に仕事の都合で東北などに住んでいたこともありましたが、沖縄に来て最初に思った事は、「同じ日本という国なのに、本土とはこんなにも違うものか！」とビックリしたのを覚えています。 沖縄の人は、良い意味でも悪い意味でも色々な事で凄く激しいところがあります。日本に来てからは本土の生活が10年と長かったので、沖縄でのあまりの生活習慣の違いに最初は、「なぜ沖縄はこうなんだろう？」としばらく思い馴染めなかったのですが、6年経った今では、「これが沖縄なんだ、沖縄はすばらしい！」と思えるようになりました。 昔、沖縄は“琉球王国”という日本とは違う独自の文化をもった特別な島国だったので、やはり、本土とは違いますね。そう思えるようになってからは沖縄にも馴染め、凄く住みやすくなりました。 今特に思うのは、本土の方で暮らしていく上では、毎日時間に追われているところがあったのですが、沖縄はすごく全体的にマイペース。あまりそこまで急ぐこともなく、またその必要もありません。誰もが皆温かく受け入れてくれます。

それと、何よりも同じ日本にいながら、沖縄は外国の雰囲気を味わえるところです。特に沖縄市･北谷（ちゃたん）町は国際色豊かなのではないかと思います。私は沖縄市に住んでいますが、ものすごく国際的なイメージで、ちょうどアメリカと日本を足して2で割ったような国際色あふれる街なのです。小さなお店とかでもアメリカのドルが利用できたりするんですよ。 沖縄市の中でも特に“空港通り”がお勧めです！今回はこの“空港通り”について紹介したいと思います。 空港通りは別名“ゲート通り”とも言われます。英語で表記すると“Gate　to　Street”になります。
この通りは嘉手納基地のゲートへ続く通りなのでその由来の名前が付きました。タクシー運転手にはどの呼び方で伝えても必ず“空港通り”まで運転してくれます。週末になると、まるでお祭りのように色んな人たちで賑わいます。
日本・アメリカ・インド・中国など、色々な国籍の人達が集まり合って、お祭りのように活気があり、すごくいい雰囲気のある通りになります。

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そういう意味でも“空港通り”は、沖縄の中でも特別で楽しい素晴らしさがたくさんあります。この通りは外国の方がほとんど運営しているといっても過言ではないと思います。この通りを歩いている人を見ると、90％くらい外国の方で、通りの両サイドにあるショップや飲み屋さんもほとんど外国籍の方々の所有している店舗です。その外国籍の方々は沖縄が本土復帰する以前から沖縄に住んでいて、40年以上も前から沖縄で生活しているので、今は日本語・英語・インド語など、多国語を話せる2世の方に受け継がれ、日本･アメリカ･インドの事も全てにおいて継承し、ビジネスを成功させているのです。 他の地域に住んでいる若い人達も、わざわざこの通りまで買い物にやってきます。やはり外国の方が経営しているので、この通りでは同じ沖縄でも他には無い商品を取り扱ったりしているのです。 また、毎年大晦日には多彩なイベントを開催しています。去年は年末恒例の紅白歌合戦に出場した“オレンジレンジ”がこの空港通りから全国中継でライブを行い、多くの観衆が集まって盛り上がりを見せました！他にも嘉手納基地の正面玄関的な場所柄と言う事もあり、沖縄特集などドキュメンタリー番組では、この空港通りが紹介され、数多くのメディア関係者が訪れ撮影をする光景を目にする事が多いのも特色です。実際、私のところにも月に1回程度の割合で取材の依頼があります。沖縄の基地問題はやはり重要な課題だからでしょうか。 今回は沖縄でも特別な場所で国際的な雰囲気を味わえる“空港通り”について紹介させて頂きました。他にもまだまだ色々な事を紹介したいのですが、実際に足を運び体験するのも、またそれぞれの感性である意味違った感覚で楽しめると思いますよ。 次回は沖縄市より北方の恩納村・名護市などについてご紹介いたします。観光客には有名でも沖縄在住の人にはあまり知られていない場所、その逆で沖縄在住の人しか知らない穴場など、両方の視点から見た沖縄をお伝えできればと思います！

Profile

ザギル　カーン
1991年来日。大手企業に就職するが、趣味のカレー作りが高じて2004年、沖縄に本格インドレストラン【KABAB'S】を開店。現在沖縄にて他に2つの事業も展開している。